扇動と超流動

ヒトラー最期の12日間っていう本を読んでいるのだけど、ドイツと超流動ヘリウムとがなんとなく似ているなと思った。それだけなんだけども。
常流動の液体ヘリウムにおいて、個々の原子がランダムに動いていると全体としてはおとなしい(めちゃくちゃ安易な言葉だが)挙動をするのに対して、エネルギーを奪って原子の状態を揃えてやると、量子力学的効果がお互いに打ち消しあわずに巨視スケールにまで表れてきて、常流動の状態からは想像もできなかったような性質が現れる。
国家において、個々人の考え方がそこそこのばらつきを持っていればあんまり過激な行動を起こしにくいのに対し、内心のコンプレックスや外部からの統制などで個人個人の考え方が揃えられてしまうと、そこにブレーキはかからなくなり、たった一つのイデオロギーが増幅され、国家スケールで歯止めなしに実現される。なんか相転移に似てるな。
国家の相転移、人はそれをはた目から見て狂気と呼ぶ。とか言ってみる。